2013年11月



『第8回 三鉄 駅からウォーキング』 11/23


11月23日の土曜日。この日は『第8回 三鉄 駅からウォーキング』を開催。
今回は綾里駅で下車します。参加者は23名。
参加費は保険料・乗車券代で450円になります。

三陸鉄道南リアス線に乗り、盛駅を11時30分に出発! 綾里駅には11時42分に到着しました。 そして、駅である綾里物産観光センターで昼食を取り、 駅前広場で準備体操を行いました。
今回の史跡巡りのご案内は、郷土史家の熊谷常孝さんにお願いしました。 駅の敷地には『綾里大権現保存庫』があり、重さ1トンにもなる 権現様(獅子頭)が保存されています。
熊谷さんは綾里大権現製作実行委員会にもなっており、 『大権現』について説明してくださいました。
「太古の時代から、種々な災害に悩まされてきた。 生活が脅かされるのは、天地に厄神悪魔がいて、 その仕業によると信じされるようになりました。 やがて人々は、とても人間の力ではその悪魔を鎮めることは出来ないので、 人より遥かに屈強な百獣の王、獅子によって悪魔を祓うとした。 獅子舞や権現様で舞う悪魔払いの演目は、その名残であり、 東北の方では獅子舞を権現様と呼ぶのが多い。 特に、遠野周辺、気仙地方ではそうなのだそうです。」
権現様の神興を作ったが、あまりもの重さ(1トン)から、 次に、踊る権現様を作ってお祭りに出ているそうです。 それは、クレーン車を操作して舞いを披露しています!これが『綾里大権現』になります。
駅から300m先には『宮野貝塚』があります。駅前の通りを歩くとすぐですね。
ここには3〜4千年前の人達が住んでいたとされ、 沿岸の貝塚はどこも今回の津波の被害に遭っていません。 先人は津波の被災を受けないところに住む知恵を持っていたと感じますね。
気仙地方の宮大工の棟梁として、全国70ヵ所以上の神社仏閣を建てた 「花輪菊蔵氏」の生家も教えて頂きました。
12時50分頃に『明治三陸大津波伝承碑』到着!
この津波伝承碑は、港と白浜からの津波が合った場所に建立されてあり、 この辺は昔から「みちあい」と呼ばれてます。 ここで、郷土史家の熊谷常孝さんからご説明されました。
「旧・綾里村に壊滅的被害をもたらした明治三陸大津波の惨状を 永く後世に伝え、地域住民の戒めとするために建立されました。 綾里村では296戸が流失・全・半壊した他、田畑の塩水冠水で、 米・麦の収穫不可能に陥りました。 漁船175隻が流失・破壊され、鮪建網四カ統、鮪流し網23反、 鰯網5反、小魚網13反も流失するなど、生活手段についても、 壊滅的な害を被っている。溺死1350人は、「綾里村誌」の記述に よるもので長林寺の過去帳を基にしています。」
「38.2mの「波高」は、国立天文台編の「理科年表」によるもの。 白浜海岸と港湾方面を結ぶこの小峠の高さは、 32mと地図に記録されていて、綾里湾から白浜海岸に侵入し、 南方の谷間を遡ってきた津波が、この小峠を越え、 港湾から侵入してきた津波と連結するに至りました。 この辺は昔から「みちあい」と呼ばれ、「道合」と書いていたが、 本当は「みずあい」すなわち「水合」なのかもしれません。」
その近くの電信柱には、このような案内が…。
「震災は忘れた頃にやってくる 明治29.6.15 38.2m 明治三陸大津波水位表 三陸町」 この位置は最高地点海抜38.2mの高さ。実際にこの場所を歩き、 昔はこの位置まで津波が来たことを感じることができました。
明治29年の津波が38.2m(近くの電柱に標識)の恐ろしさを 後世へ伝えているが、「災害は忘れたことにやってくる」の格言のとおり 恐ろしさが忘れられているなど、大変貴重な説明をして頂きました。
その後、次のみどころ『白浜海岸』には13時20分頃に到着。 ここで全員の記念写真を撮影しました!砂が残っていましたね。
帰り道で撮影した景色です。破壊された防潮堤の様子が分かりますね。
ウォーキングの様子です。会話のできるペースで歩いています。 歩いて気付くことがたくさん!
帰り道の途中、綾里駅手前の尾坪慶喜さん(大権現の製造者)が、 三鉄甫嶺駅前で切られた桜の丸太を使って、 『権現様』を彫っているところを見ることが出来ました。 見応えのある立派な『権現様』ですね!
そして、14時47分「綾里駅」に到着しました。 三陸鉄道南リアス線が来るまで駅舎の中で休憩を取りました。
熊谷常孝さんの説明も分かりやすく晴天に恵まれ、 今回の『駅からウォーキング』はとても良かったです。 最高な一日となりました。ありがとうございました。
参加者に感想を伺いましたので、ご紹介します。
地元に住むの80歳の方 「津波伝承碑や電柱の標識(38.2b)を見て、津波の恐ろしさを実感しました。」
住田町の73歳の方「ウォークコースは坂もあり良かった。 明治・昭和の津波の教訓を今回の津波に生かすことが 出来なかったことは残念であった。
日頃市町の方 「綾里を初めて歩きました。花輪菊蔵の生家や大権現も 目の前で見られたし、白浜海岸の砂も残っていて良かったです。」
大船渡町の方 「大権現の由来を聞けてよかったです。現物を目の前で見れたし、 今度はクレーンで動くところを目の前で見てみたい。」
大船渡市内の史跡を巡り、地元の魅力を再発見! 今回は綾里駅からウォーキングを行い、 明治三陸大津波伝承碑と白浜海岸を満喫してきました。 ご参加くださいまして、ありがとうございました!
次回の開催をご案内します。 12月14日(土)「第9回 三鉄 駅からウォーキング」 9時20分〜12時00分 9時に三鉄盛駅ふれあい待合室にへ集合。 事前のお申し込みが必要です。 【盛駅周辺】大船渡津波伝承館へ行きます! 語り部さんによる被災体験談や映像をご覧になります。 参加費は入館料と保険料で400円。 ※お飲物は各自持参 ※大雨で中止の際は翌週土曜日(12/21の同時刻)に行います。 お申し込み、お待ちしております!



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NPO法人夢ネット大船渡 三陸鉄道盛駅舎活用事業

岩手県大船渡市盛町字東町裏16番地





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