3月3日の火曜日。この日は関東の大学生を招待した 『大学生被災地視察列車』を運行しました。
<夢ネット大船渡発行「復興ニュース」より>
早稲田大学や慶応大学などの学生が、被災地視察に 来られるということで、三陸鉄道へ乗車して頂き、被災地への思いや 三陸鉄道への意見などを聞きたくて企画した招待列車になります。
参加された人数は36名。ご利用ありがとうございました。
貸切で行いましたが、使用したのはあの『奇跡の車両』です。 震災発生時、吉浜−唐丹間にある鍬台トンネルの中で急停車し、 三陸鉄道南リアス線で唯一、被災を逃れた旧型(36-105)の車両です。
15時30分に盛駅を出発し、釜石駅を折りかえして 盛駅へ戻ってきたのは、2時間後の17時30分。
往路では岩城理事長による被災地の状況などの報告を行い、 復路はワークショップを行いました。
大学生にお渡しした被災状況の資料を紹介します。
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≪大船渡市の被災状況≫ ◆死者・行方不明者 死亡者340人 行方不明者 79人 計419人 ◆建物被害 全壊2787 大規模半壊428 半壊717 一部損壊1588 計5520 ◆被災世帯 約2500 全世帯の約17% ◆避難所 69ヶ所 5169人(被災直後) ◆被災事業所 約1400 全事業所の約54% ◆応急仮設住宅 1801戸(37団地) ◆仮設店舗・事業所 471区画 面積18,501u ◆罹災証明書発行数 10,177(平成26年3月末)
≪復旧・復興状況≫ ◆災害公営住宅 県営511戸(9団地) 市営290戸(17団地) 2015年度中に入居 県営201戸(39%) 市営191戸(66%) ◆防災集団移転 27団地 370戸 2014年度土地造成完了172戸 現在新築中 ◆自立個人自宅新築 731戸(平成24年度・25年度の建築確認件数) ◆土地区画整理(中心部再生) 33.8ヘクタール 津波復興拠点整備事業7.7ヘクタール
≪大船渡市≫ 犠牲者419人 割合1.0% 津波の高さ11メートル 浸水面積800ヘクタール
≪陸前高田市≫ 犠牲者1763人 割合8.0% 津波の高さ15.7メートル 浸水面積1300ヘクタール
≪釜石市≫ 犠牲者1042人 割合2.8% 津波の高さ9.3メートル 浸水面積738ヘクタール
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大学生から、ワークショップで出された意見の報告が ありましたので、その中から一部を掲載いたします。
◆感想 「説明があると背景が分かっておもしろみが増した。」 「地元民が手を振ってくれて、あたたかみを感じた!」 「最初の見送りがうれしい」 「速度落として説明がうれしかった」
◆ご意見 「駅のプレートは全駅似ていたが 『恋し浜』駅はとてもステキだった。 他の駅も同様に凝るとよいのでは。」 「食べ物が欲しい。ホタテ売るなど。(駅に。)」 「トンネルを利用して、楽しんでもらう。 始めに トンネルの数、全体の割合など は言わず、 最後に聞くから考えてね と言っておき、 最後当てたら何かあげる など。」 「三鉄クイズ大会みないな参加型企画があると良い。」 「長いトンネルを活かす。 車内の電気を消してプラネタリウムにする。」 「あまちゃんを車内で流す。 子供向けの映画なども流すとかもいいのでは。」 「駅のお花が枯れているのが気になります…」 「震災の学習のためという点でいえば、 地震前後の写真が見られて、現在と比較できると、 より当時の被害を想像することができ、効果的と思います。」 「駅や橋などにも「乗ってくれてありがとう」みたいな 言葉があると良いかも。」 「こいしはまのようなコンテンツ力のある駅を増やす。」 「季節に応じて写真(各駅でいい写真をとってもらって) コンクールを実施。優勝したら特産品などの景品」
若い世代である大学生からみた新鮮な発想の貴重なご意見、 本当にありがとうございました。